アンティークナイトドレス

アンティーク コットン シルク リネン レース ワンピース 刺繍

アンティークワンピースで代表的なのがナイトドレス

くつろいだり、部屋の中をうろうろするのに着用されていた
寝る時に心地よい様、ゆったりとした形のワンピース型の寝巻のことを言います。

ヨーロッパではこの文化が多く、パジャマや部屋着として親しまれています。
また、花嫁道具の一部として作られていたそうです。

ローブ、シュミーズ、ナイティ、ナイトガウン、呼び方が多様なアイテムで、
フランス語でローブ・ド・ヌイ
シュミーズ・ド・ヌイ(ヌイは夜の意味)
他にもla robe du soir ローブ・ド・ソワsoirソワは夕方の意味)
vêtement de nuit ヴェトマン・ド・ヌイとも呼ばれます。


素材はコットン、リネン、シルク、ウールの柔らかく肌触りの良い無染色の生地が使用され、当時の持ち主のイニシャルの刺繍が入ったものや直接名前を書き込んだもの等もあります。

余談ですが名前の刺繍の上に王冠の刺繍が施されたものは所有者が貴族の証。
クラウン刺繍は貴族のみ許された刺繍なのです。


形は被る形のものや、下(裾)までボタンで開閉できるものがあります。
殆どがゆったりとしたシルエットですがウエストが絞られたような形も稀にあり、産後の授乳用にフロントボタンがサイドクロージャ―になったものもございます。

アームホールは曲線、直線、直線で脇下に三角のマチが付いた作りなど。

デザインは様々。
襟があるもの、無いもの、スタンドカラー等、袖の形や丈、フリルやレース、タックや刺繍が施されたものなど部屋着ですがシンプルなものから装飾が凝ったものまで多様なデザインがあります。


仕立ても全て手縫いの測り知れない時間が掛けられたものや、ミシン縫いで作られたものと様々。(ミシンは1790年に誕生、1850年以降に製品化と普及)
当時もミシンは高価な道具ですので全ての仕立て屋、家庭が持っていたわけではなく熟練された手縫い、刺繍、手編みのレース等見れば見るほど引き込まれる魅力があります。


大切に時間をかけて作られたアンティークナイトドレス、長い年月を経て今に残る貴重なお洋服のひとつです。

昔の人は大事に作られたお洋服を直しながら着られていました。


一着一着に歴史と、手にとって優しい気持ちになる様な、
どこか温かみを感じていただけたら嬉しいです。
 

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